ワシントン州のワイン産地


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 ワシントン州は、南部を流れるコロンビア川がオレゴン州との州境となり、北はカナダ国境と接するアメリカ西海岸最北の州です。地理的には海岸部と内陸部を標高3000メートル級の山々が連なるカスケード山脈が分断し、それぞれに特徴的な気候をもたらしています。
 気候と地理的な特徴により、州内に12のA.V.A(American Approved Virticultual Area:アメリカ政府承認ぶどう栽培地域)を持ち、ワイナリーと栽培農家を合わせた数はカリフォルニアに次ぎ1000件を優に超える一大ワイン産地です。
 以前よりアップルやチェリーなど良質なフルーツ栽培が盛んであった地域でしたが、Dr. Walter Cloreにより、産地が高緯度にあることやカスケード山脈の東部に広がるエリアの極端に低い降水量(年間で8inch:208mm)が、良質なブドウ栽培に適していることが広く知られると、赤ブドウはボルドー種を中心に、白ブドウは冬季の寒さに強いリースリングやシャルドネが栽培されるようになりました。
 主なワイン産地は、コロンビアヴァレー・ヤキマヴァレー・ワラワラヴァレー等が位置するカスケード山脈の東側州南東部に集中して、それはこのエリアが日中の穏やかな気温と放射冷却による夜間の強い冷え込みに加え、大河コロンビア川がもたらす豊富な水を灌漑や地下水から得ることが出来るからです。
 また、地質的には先史時代最終氷河期に幾度となく起こった大規模な氷河湖決壊(ミズーラ洪水)により豊富なミネラルを含んだ豊富な土壌の沖積土からなります。大洪水は、氷河湖の決壊により流れ出た大小の氷塊が大地を削り、コロンビア川を深い渓谷に変え、洪水の後には大地に70mの堆積物を残したほど巨大なものでした。
 ワシントン州のA.V.Aではこの洪水の水面下と上では全く違った土壌構成となり、テロワールにさらに複雑さを与えています。
 また、夏場の長い日照時間もブドウの生育には好ましく、夏季の平均日照時間は17.4時間にもおよびます。冷涼な気候と合わせ果実に酸を保ちながらゆっくりと熟成することができ、このことは度々比較の対象となるカリフォルニア産のワインとの大きな違いになります。高アルコールで肉厚なカリフォルニア産ワインと比べ、柔らかな酸を持ちオークの使い方も無理がないワシントン産ワインは、エレガントでマリアージュの幅も広く、カリフォルニアのナパヴァレー産ワインの様な単一品種だけがもてはやされるということもありません。多品種のブレンドは、ワインに複雑さを与えるだけでなく無限の可能性をもたらします。
 このように画一的なワイン造りから脱却したワシントンワインには非常に高い評価が与えられ、各誌で90ポイントを獲得するワインの半数以上はワシントン州産のワインであり、この数字はすべての価格レンジにおいてカリフォルニア産のワインをはるかに凌いでいるのです。


オレゴン州のワイン産地


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 オレゴン州でのワイン生産の歴史は決して新しいものではありませんが、現在のわれわれのワインライフに馴染んだものということに限ればここ20数年の飛躍は 大変目覚ましいものです。
 ポートランドからRoute99Wを南下すると、1時間30分ほどでNewberg,Dundeeの街に到着し、その先はSalemそしてEugeneに続きます。ここはオレゴン最大のA.V.Aであるウィラメットヴァレーの中心にあり、州内の多くのワイナリーが設備を構えています。
 このエリアはワシントン州から続くカスケード山脈の太平洋側に位置し、多雨な冬季と乾燥した夏季のはっきりとした気候が特徴で、冷気をたっぷりと含んだ海洋風は、夏の間畑を適度に冷やし、ブドウの発芽・開花の時期にあわせた乾季は、病害虫の発生を抑えることに役立ちます。そのためかオレゴン州の多くの栽培家が有機栽培やバイオダイナミックなどの自然派ワイン造りを当たり前のように実践しているのです。
 またこのエリアは山間部に位置することもあり、個々のブドウ畑は比較的小さく、ピノ・ノワールの栽培に特化していることも特徴の一つです。北緯45度線上という地理的な類似点だけでなく環境やそこに暮らす人々などもしばしばブルゴーニュと比較され、カリフォルニアのワイン産地とはまた違った趣があります。特に、カリフォルニア産と比べてナチュラルな印象のワインは、オレゴンの特徴をよく表しています。
 また、このエリアは海洋性の堆積土壌が隆起し地表に複雑なレイヤーを残していることも特徴です。彼らはこれを「ウィラケンジー」と呼び、ひとつの畑の中でも様々なタイプの土壌が露出している点がユニークです。火山性の土壌と並び、複雑な味わいのワイン造りに欠かせない特徴の一つです。
 現在16のA.V.Aが認定され、400件以上のワイナリーが軒を連ねていますが、そのほとんどがワールドクラスのピノ・ノワールを生産し、高い評価を受けていることからもこの産地が他とは違う特別の産地であることがわかります。近年はヴィオニエやリースリング、ピノ・グリ等も評価があがってきています。


A.V.A(認定ブドウ栽培地域)


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